『先輩…?』


私は、心配になって声を掛けると、ハッとしたように


「ううん。何でもないよ」


何でもなかったようには、見えなかったんですけど…





「あっ、でも俺等がここ使ってるのは秘密な?」


剣哉先輩は、思い出したようにそう言う。


あぁ~…


ファンの人達に知られたら、大変だもんね。





『もちろん言いませんよ。言ったら、私が練習できませんし』


噂になったら、女の子が沢山集まるに決まってる。


そうしたら、私の練習場所が無くなるし。





「それもそうだね。林ちゃんは、俺等がここに居たとしても吹いて良いからね?」


『本当ですか?ありがとうございます!』


わ~っ


嬉しいなぁ。