ガチャ





「やっぱ、ここに居た」


「剣斗っ」


屋上に入って来たのは、俺にそっくりな双子の兄貴。


自分でも、鏡を見てるみたいだ。





「お前、またここでサボったな…」


あはは…


バレてるし……





「あれ?この子は?」


剣斗は、俺の横に居る彼女を指差す。


そういや、俺も名前知らない。





『1年の林実夏です…』


林は、はっとしたようにそう言う。


なんか、考え事でもしてたのか?





『あの、失礼だとは思うんですけど…

中城剣斗先輩と剣哉先輩ですか?』





「「そうだけど?」」






あの、素な感じ


本当に俺らの事、知らなかったみたいだ。


そんな子居たんだ、この学校に…





『すみません!まさか、先輩達がこの屋上使ってるなんて知らなくて…。私、邪魔ですよね…』


凄い落ち込みながら言う林。


演技してる感じも無くて、本当に言ってるようだ。





「謝ら無くていいよ。俺達の屋上じゃ、無い訳だし」


王子様スマイルでそう返す剣斗。


いつも、あの笑顔で疲れないのか?


俺には無理。