目を開けたらツンと消毒の匂いが鼻を刺激させた。
あぁー。あたしは病院にいるんだとすぐに分かった
横を見ると早良が居て、あたしが目を開けているのに気が付いた。
「椎名っ!大丈夫か?」
「早良…なんで?」
「精神的疲労だそうだ。」
早良は言いにくそうに顔を強張らせて言った。
「そうですか。」
「念のため二三日、入院する事になった。」
「分りました。」
あぁあ。親には迷惑かけたくなかったんだけどな…
まさか精神的に追い詰められてたなんて思ってもなかったし、親も知ったら驚くだろう。
「お家の方には連絡しといたからな?じゃあ俺は学校に戻るから───。」
ふと思い出した。
何故 今思い出したのかは よく分らないが病室を出ようとした早良の背中がものすごく寂しそうに見えたから…
ドアに手をかけた早良にあたしは声をかける───。
「なんで…、この前止めたんですか?」