―――力斗side―――




担任になる先生の後を歩き、着いて行く俺。


小室 力斗(コムロ リキト)。
高校2年生、17歳



この街には久しぶりに帰ってきた。


そして久しぶりに麗咲花にあった。


昔から麗咲花の事が好きだった、
でも、麗咲花は俺を幼馴染み以上では見てくれなかった。


ずっと傍にいるためには、気持ちを隠した。


だけど、俺は親の都合で引っ越すことになった。


その事を麗咲花に言えないでいた。



あいつは、独りだから、もし俺がいなくなったら麗咲花は孤独の闇に入っていく。


そう思うとずっと言えなかった。




だから、最後の日


俺はずっと傍にいる と言って分かれたんだ。




キザかも知れないけど、離れていても俺は麗咲花の味方だ。
そういう意味で伝えたんだ、けど…




逆に麗咲花を苦しめてたんだな――。





「〇〇市から、引っ越して来ました。
小室力斗です。この街には中学生まで住んでいたので戻ってこれて嬉しいです。皆さんよろしくお願いします。」