いつも、1人になりたい時に真っ先に来るのは体育館裏だ。


この学校の体育館裏は木が多く日影があり、すごく涼しい場所だった。


風に揺られて鳴る木々の音があたしを和ませてくれた。





「あ、お前また此所でサボってんのか?」


と後から声がした。


振り向くとそこには、



「早良っ!?」



体育教官室の窓から顔を出す早良がいたんだ。


普通に話しかけてくれるんだ…
と心の何処かで安心した あたしがいた。



「椎名って、よく此所でサボってるよな」

「え?知ってたの!?」


「ったりめーだろ。此所から見えてた」



普通、教師ならサボってるのを見たら怒ると思う。



「椎名は、いつも此所で休んでんだろ?」


休んでる。


それはサボってるんじゃないから、怒らなかったってこと?


でも休んでるってどういう事だろう。



「椎名は、周りから言いたいように言われて疲れて、此所に休みにくるんだ。きっと今朝だって言われて来たんだろ?」