逃げる…



また逃げる。



どうしてもこの過ちは繰り返す。


逃げちゃイケないって分かってても、何度も逃げることを繰り返すんだ。


早良が心配してくれてる事は分る。

他の先生と違って、気にかけてくれた事が嬉しかったんだ。


でも素直になれなくて突き放してしまう、いつも それを繰り返して独りになってしまうんだ。


それに早良の目が怖かった。
何でも見抜かしてしまいそうな綺麗な目が怖くて堪らない。


中途半端なのは嫌なの。

先生なんだから あたしが卒業したら関係は終わり。

だから見抜かされて気持ちを話して早良があたしを助け出してくれても卒業したら、またあたしは独りぼっち。


独りになるなら、最初から独りがいい…


こんな事 言いながら自分が一番虚しい。



ねぇ…早良?


突き放したから信じてくれないかもしれない。

心配してくれて嬉しかった。
初めて、聞いてくれた…
何で?って聞いて欲しかった。
そして あたしのドロドロした感情を誰かに取り除いて欲しかったから、
早良が聞いてくれて素直に嬉しかったよ?

もう、早良は声をかけてくれないかも知れないけど、






…ありがとね?