ラブレターの内容は…
『平井海さんへ
いきなりで驚いたと思います。
俺は文芸一年、吉田トモユキといいます。
初めて見た時から平井さんが好きでした。
よかったら俺と付き合ってください。
吉田トモユキ』
はあ…
読み終わった手紙を封筒に戻す
「…なんだって?吉田」
煙草の煙を吐きながらそいつは聞いてくる
「付き合えだってさ」
封筒をポケットに突っ込んで近くのベンチに座る
「ほぉ~、ストレートだね。どうすんの?なんて馬鹿なこと聞かないけど、断るなら優しく断ってね。あいつピュアだから」
煙草を携帯灰皿に押し付け、そいつはニヤッと笑った
「はあ…」
めんどくさい
非常にめんどくさい
「何回ため息吐くんだよ。幸せ逃げるぞ」
呆れた顔をするそいつをギッと睨んでベンチを立つ
「吉田君に伝言して」
「なんて?」
「今日、夕方の4:00に駅前のカフェまで来い!!ハンカチを忘れんなよってな!!」
あたしは言い終わるとともに
キャンパスに向かって走り去った
そいつ、高峰有志が吹き出していたことには
気付くこともなく。