7年前―・・・

私は小学校五年生だった。

そんなまだ子どもの時代に両親を事故で
亡くしてしまったのだ。


「うっ、ぅえっ。お、お父さんお母さん!!!」

これでもかと言うくらい泣いても、

涙はまったく止まらなかった。


「泣かないでよぉ漓緒ぉ。わ、私だって悲しいんだからねぇっっ!!」

お姉ちゃんの言葉も頭を素通り。

そんな時に私の心に深く、あたたかく、響いた声があった。

「泣かないで。漓緒。僕がこれからもずっとそばにいるから。もう一人にしないから。」


「・・・・・・うん・・・」

兼兄ちゃんのそんな声を聞いて、私は両親と[さよなら]をすることができた。


「漓緒が大きくなって、大人になったら兼兄ちゃんのお嫁さんにして下さい」


その時に優しい笑顔で頷いてくれたの、


兼兄ちゃんは、まだ 覚えてる?