『本日より君達は義務教育が終わり、高校生となったわけですが……』
爺さん校長先生の長い長い話が始まった。
前方にいる直など、式が始まって5分で眠りに入ってしまっている。
しかも立ったまま。
『充実した高校生活を送ってください』
『次は、新入生代表の挨拶です』
その言葉で歪が壇上に上がる。
「桜の咲き乱れ、惨めに散っていく季節に僕たちはこのくだらない学校に入学してやりました。充実した生活が送れるか、とても微妙なところですが、僕が充実させてやろうと思います。それと、これから大してお世話にもならないだろう先生方につきましては、いろいろと“情報”が入りましたので、それはまた後ほど。……以上です」
歪の挨拶とも言えない挨拶が終わり、教師たちが苦笑いで身を硬くしたのは言うまでもない。