「付き合ってられないな」


そのころ歪はずいぶん離れた夜でも明るい街灯の下でパソコンをしている。

見ているのは『“情報屋”専用 “殺し屋”リスト』


「……『風の神』か」


検索のボタンを押して、そう呟く。


「まったく…“殺し屋”どうしで殺しあいか…洒落にならないな」


ブツブツと独り言を言っている歪は十分、不振人物だが、幸いに今は夜なので誰もいないし、誰も見ていない。


「お兄さん、こんな夜遅くにこんなところにいると、ババアから殺されますよ」


…はずだったが、ランドセルを背負った、明らかに小学生の少年が立っていた。


「…それはお前だろう。小学生は家に帰って寝ていろ」


パソコンから視線もそらさずに言った歪にムッとしたらしく、自信満々に一枚のカードを取り出した。


「僕は“情報屋”NO,34 虎杖 春(イタドリ ハル)だ!分かったなら早く僕の言うことを……」

「“情報屋”NO,666 凩 歪だ」

「……」