それから何時間後のことだろう。

君が俺の家をたずねてきた。

電話には出ていなかった。


正直、今は誰とも話したくなかったが、何も言わず約束をすっぽかした上に電話にも出なかったので、後ろめたい気持ちもあり、扉を開けた。


君は俺の姿を見ると、怒るでもなく、文句を言うでもなく、ただ黙って抱きしめてくれた。


この時、俺がどれだけ幸せだったか君に分かるかな?


背中を撫でてくれる君の手が温かくて、


“好きだよ”と、


言葉で千回言われるよりも愛を感じた。