「やっぱり、ダメかなぁ?」


驚きのあまり何も言えないでいる俺を不安そうな顔で見つめ、君は悲しそうに言う。


いつもならすぐに断ってしまう俺だが、泣きそうな顔した君を見た瞬間、思わず言ってしまった。


“別にいいよ”と……。


「ホントに!?」


と言って顔を綻ばせる君を見て微笑み返してあげたくなった。


それから、少しずつ。

本当に少しずつだけど、君といることで心の氷が溶けていくような気がした。