俺の心臓がドクンと鳴る。


「あいつ、ずっと不安だったんだよ、お前に愛されてないんじゃないかって。

俺がどんな言葉をかけてもダメだった。

あいつの傍にいてやってくれ。

あいつのこと助けらるのはお前しかいないんだよ……」


『無理なんだ。

あいつは…俺と会えば苦しむことになる』


唇を噛みしめる。

こんなことしか言えない自分が情けない。


「いい加減にしろよ!?

あいつにはお前が必要なんだ。

どうしてわからない!?

あいつが過呼吸になって、必死に求めてるのは空気なんかじゃない。

お前の愛だよ……」


そこまできくと俺は家を飛び出した。

行かなくちゃならない。

由綺のところへ。