そんな幸せな生活が続き、悲劇の事件は起きた。


私はその日、オーバーオールのズボンをはいていた。

トイレに行きたくなり、便器の前で、サスペンダーを肩からずらした。
オーバーオールの上半身部分がダラリと垂れ下がる。
そのオーバーオールは胸のポケットがあるのだが、ポケットは完全に下を向いていた。


そこでやっと「はっ!」っとした。

この胸ポケットには、それはそれは大切な森くんのブロマイドが…


ウチの便所は和式のポットン便所。
落としてしまえば取り返しがつかない。

森くんを一刻も早くポットから救出しなくては!


だが、もぅ遅い。

森くんは私のポケットからスルッと抜け出し、便器の中の暗闇へ一直線真っ只中だ。

そしてペタッと音ともに着地したようだった。