何もかも 白く 白く
僕の罪も 白く 白く
染め上げておくれ
狂喜の白に
狂気の白に
痛みと冷たさをそのままに
白く 白く
しんしんと
しんしんと
どうして
もう 笑ってくれないのか
どうして
こんなに小さくなってしまったのか
君と僕とを
生と死とを
こんなに象徴的に分けるものは、他にない
二組の箸で 同時に抱えられ
白々とした壷に収められた
無言の君
ただ 記憶だけが雄弁で
眠れない夜を
幾夜もすごす
キレイにデコっても
ムダ ムダ ムダ
所詮あんたは使い捨て
キラキラ輝く衣装を着ても
来年のクリスマスまで持たないの
ハロウィンが終わるとやってきて
正月前に去ってゆく
あんたの前で何人の恋人達が
儚い愛を誓うだろう
夢みるモノ達の使い捨て
あんたは街のクリスマスツリー
体型を気にして
虫歯を気にして
人工の甘味料に味覚を委ねる
空と大地の恵みから切り取られた味は
だだ甘く
退廃的な味がする
シュガーレス
シュガーレス
偽りの甘い味
シュガーレス
シュガーレス
気のせいだった僕の恋
シュガーレス…
何がしたいのか
何を怒っているのか
判らないまま
毎日を生きてた
グレイに染まった世界の中で
何も確かな物などない
不安定な楽園の中で
死んでるように生きていた
それ、が落ちてくるまで
鮮烈な赤
命の色よ
ぼくは、おまえに口づける
赤い林檎よ
魅惑の香りの尾を引いて
ぼくの心に落ちてくる
ぼくの命に落ちてくる
「鮮烈な赤」を
The apple of fascination
(春秋/著)
に捧ぐ
死なないで
とは言えなかった
だけど
生きていて欲しかった
どうして 君だけが
こんな病を得てしまったのか
夜毎痛みに身をよじり
泣き叫ぶ 君
寄り添えば「大丈夫」と微笑む君に
僕は何ができたのだろう
せめて「死」が安らぎであるように
僕は祈る
祈り続ける
手を陽にかざしてみる
なにかの歌みたいと君は、笑う
生きている事を確かめるように
流れる血潮を確認する
死んでいるように 生きたくはない
生きているなら いつだって
鋭く尖っていたいから
死んでいるように 生きたくはない
それでも
たまには尖っている事に疲れはて
妥協点を探すように、真っ赤に流れる血潮をみる