「ありがとうございました。」


 看板横の部屋から
 ひと組の親子が出て行った。



 あぁ~~~
 逃げ出したい!!


 こんな所になんかいたって
 私は幸せになんて
 なれやしないんだから…!



 「早水鈴さん、
  どうぞ。」


 あぁ~、
 悪魔の声が聞こえる…


 悪魔が私の名前を呼んでいる…


 誰かぁー
 私を現実の世界へ……