トクン、トクンと


蓮の鼓動が、私の手の平から伝わってくる。


「速いでしょう」

「///…うん」


というか正直…


手に感じる蓮の体温と、


手のひらに触れる固い胸板に


気ぃとられちゃって……鼓動とかそんなこと考えてる場合じゃない///;


男の子の体に触れたことなんて、無かったし…。


「僕、緊張してるんです」


「緊張?」

蓮が?
いつも余裕たっぷりの蓮が?


「……真央さんといると、僕が僕じゃなくなるんですよ」

「ッ…それ、は///」


反則です蓮君。

その顔で、

その声で、

このシチュエーションで、

そんなこと言わないでください。



君は私をどうしたいの?
キュン死にさせたいのか?←



「も…ぅ、蓮の馬鹿」

「照れないでください」

「照れてないっ!」

バリバリ照れてるけど!



「で、話、まとまった?」

「あ……忘れてました」

「……」


おいコラ。




「真央さんが可愛いこと言うから…」

「人のせいにすんな///」

そして可愛いとか言うな。本気で照れる。


「話さなきゃいけないんじゃなかったの?」


「ええ。いつか……必ず話さなければならないことなんですが」


う~ん、と悩む蓮。


話してくれればいいのに…。



「やっぱりまた今度にします」


「ええ!?」



「ご飯に行きましょう(ニッコリ」


「うん…」



有無を言わせない蓮の笑みに、渋々頷いた。
モヤモヤした思いを抱いて、歩く蓮より先に朝食に向かう。

「蓮なんか置いてっちゃうんだからねー!」


「はいはい」

















だから私は知らなかったんだ。


蓮が悲しそうな顔をしていたことに。