ガチャ、と大きな家から出てきた、美人で髪の長い女子高生。

その表情は、どこか不満げだが、ワクワクしているようにも見える。

一体何を思っているのか……。




って、あの、ちょっと?


うわっ。や、やめ!暴力反対ぃ~!



「ナレーションはいらないのよ。さっさと●紫side●って書きなさいよ!」



あぅ……すみません。

作者より登場人物のほうが力が強いってどうよ……トホホ。












コホン。


では、ご要望にお応えして。




●紫side●


(遅いわよ!文字制限があるんだからさっさとしなさいよねぇ)



……気を取り直してっと。




あのイチャイチャ振りには少し驚いたわ。というより妬いたわ。
可愛い真央に『大好き』だなんて言われたら、誰だってああなるでしょうね。←言われたかった人


はっきり言って、あの淡々とした男……海城蓮は気に食わない。だってアイツ真央と住んでるんだもの!

キィーッ!








……でも、ね。


私の勘だけれども。2人には何か繋がりがあるように感じたのよね。私が邪魔しちゃいけないような、そんなものが。
だからさっさと出てきちゃったのよ。

それは運命という繋がりなのか

それとも他のものなのか。



分からないけれど、
これだけは分かる。




あの2人はきっと

一生、関わっていくことになるわ。


何かしらの感情で、お互いを引き寄せあって。

それは

愛か


憎悪か。





「……私的に、お似合いだと思ったんだけど」




早く、くっつかないかしらね。ムカツクが。




そう、早く、



2人の"始まり"を見たい。





「どうなるかしら……フフフフ」





怪しい笑みを浮かべながら、長い髪の女子高生は、人混みの中へと消えていった。