「……ふふふ」




目先にある唇が、ゆるりと弧を描く。



その仕草がなんだかいやに妖艶で。



つい見とれてしまう。





「とても……綺麗な肌をしていますね」


「っ!?///」




「ふふふ」




「Σっ!?;」





さっきから、



その気味悪い笑い方は何なんだよ。




ふに。




「あ、凄く柔らかい」





ふにふに、


ふにふに









……ふにふにするなっつーの!///



冷たい指先が、頬に優しく食い込んできた。



少し骨ばった指が、"男の子"を強調する。





「この肌にも」




す、と指が肌を撫で


下に下りる。






「この、美味しそうな唇にも」


美味しッ……!?






ていうかなんだか、



雰囲気が変わった気がして





緊張してきた。






「ぅ……///」



蓮君は指で軽く唇を撫でる。





くすぐったい。





「この黒い髪にも」




髪を一束取り、




口付ける。





……き、キザ///





蓮君が下を向いたことで、

鼻筋の通った顔が


余計綺麗に見えた。




「真央さんの全てに……」



怪しく、


上目遣いで



私の瞳をとらえる。



恐怖でも



悪寒でもないものが







トクンと




跳ねた。



これって、よく言う"トキメキ"っていうものかな?





「これから、



いっぱい色んなことしてあげますから」





色んなこと……




……いっぱい?








……え?