目覚めのいい朝だった。




紫に話したからかな。何だかとってもよく眠れた。




腫れぼったかった目も、今日はピチピチに張っていて気持ちがいい。




こんなに気持ちが楽になるなんて。







「紫のおかげだな」



ベッドの上でそう呟いて、小さく微笑んだ。





爽やかな朝の光がお出迎えしてくれた今日は、いいことありそうな予感。






少しウキウキしながら、仕度に取りかかった。














やっぱり夕飯は、いつも通り残してあったけれども。




蓮がいない家に「行ってきます」という声が響く。








蓮がいなくなる前に、あと一回でもいいから






行ってらっしゃいって、言って欲しい。








なんて、ちょっぴり思ったりして。









テクテクと学校までの道のりを歩いていった。