悲しくて








寂しくて








会いたくて









蓮に会いたくて……













涙が止まらない。







「誰も居ないところに行きましょう」






冷静な紫は、私の顔を隠すようにしながら、






私の手をとり、歩き出した。







その手はとても細くて



繊細な指先なのに








温かくて




柔らかいから





凄く





凄く、安心した。


















―――辿り着いた先は、非常階段だった。





階段に2人して腰かける。





「落ち着いたかしら?」




「……ありがとう」




そっと離れていく温もりに、寂しさを感じる。






「真央……ゆっくりでいいから、話してくれない?」




優しい声色に、心底ほっとした。





「話したくないことは話さなくていいわ。少しでも良いから、吐き出してしまいなさいね?」




「……うん」







やっぱり、紫は優しい。





一旦引いた涙が、またこぼれ落ちそうになる。







「ゆっくりで、いいからね?」




「うん」







泣きすぎて痛い頭で、頑張って話を整理する。













よし。












大体まとまった。









すぅ、と小さく





深呼吸をしてから









全部








包み隠さず、話した。