「……別に、どーでもいいだろ」

「ええ？」


逃げた。逃げたな梶谷君。

「そんなに言いにくいことなの？」

「あー、まあ」


曖昧な感じの梶谷君に、ピンときた。


「分かった！」


「は！？(ﾋﾞｸｯ」


「梶谷君……」


「な、なんだよ；(ﾄﾞｷﾄﾞｷ」









「犯罪、犯したんでしょ！？」



「……え？」


「私には分かった！分かったよ梶谷君！」


「え、いやいや待てm「大丈夫です！誰にも言わないから。言ったら仕返し怖いし」

蓮の事だ。裏の組織とかにもめっちゃ知られてるのかもしれない。何かのブラックリストに載ってるとか。あ、もしや組長の隠し子とか？
蓮だと何でも有り得るから怖いな。



「いや、待て」

「待てよ！？」

「(ﾋﾞｸｯ」

「私と蓮は……あれだし」

「(？)」

「蓮もああ言ってたしな……。違うかな」

「(だから違うッつーの)」

「そうだよなあ、もしそうなら私もそうなっちゃうし……てか違ってて欲しい」

「(そうなっちゃう？私も？)」


「忘れてたな……そういやあ、私と蓮は……」


兄妹、なんだっけ。





声に出さず、口から吐息だけで言葉を吐き出した。




そういや、そうだった。



急にズドンと落ちてきた冷たい闇に、一気に気分が暗くなる。私ってばホント単純だよな……。


「あの、吉岡。一人で忙しそうだが大丈夫か」

「……大丈夫じゃないです」

「あ、えっと、俺は犯罪を犯したわけじゃねぇぞ？ちょっと……２人でいるところを見かけただけだからな？」

「そう……ですか」


「(駄目だこりゃ；)」



梶谷君が呆れたように私を見る。でもごめんなさいです。嫌なことを思い出しちゃったから、仕方ないんだ。




きょーだい、か…。