●●真央side●●
――私と蓮が異母兄妹。
そんなこと、信じられるわけない。
蓮のことだから、また私の事おちょくってるんでしょ?
って…………そんなわけ、ないか。
そう思った途端、視界がぼやけて
目が痛くなるくらい涙が溢れだした。
信じたくない。信じたくない。信じたくない!
男性恐怖症で
ろくに恋愛なんてしたことなくって
蓮に、罵倒する言葉ばっかり言ってた
そんな私を、好きになってくれたのは誰?
罵倒って言っても自業自得なんだけどさ。今はそんなことどうでもいいや。
涙でぐちゃぐちゃな私を、蓮は切なそうな顔で見つめて。
そっと、唇を重ねた。
触れた瞬間、蓮に対する色々な感情が頭を巡った。
その中に、ひっそりと混ざっていた気持ち。
鈍感な私が、やっと気づいたのに。
やっと、気づけたのに……。
君がお兄ちゃんだなんて、
現実は、なんて残酷なんだろう。
でも私は、この気持ちを諦めることなんてしたくないから。
君が、私に対する気持ちを捨てるときまで……
大事に、持っておくね。
でもやっぱり
『嘘です』
って
あの、はにかんだ笑顔で
言ってほしい。
夢だって
ねぇ
言ってよ……。