「あっそーだ、みんな今週の
日曜日とかヒマ?」




キョーちゃんが財布から
何かを取り出しながら言った。




「「「ヒマ!」」」




みごとにあたしたちの声はハモった。
まぁみんなそれだけヒマなんだろうな。




「これ、遊園地のタダ券。
今日の朝、姉貴に貰ったんだ。
ちょうど4枚あるからみんなで
一緒に行かねぇ?」





「「「行きたい!」」」




また声をそらわした。
遊園地かぁ、もう何年も行ってない。
みんなで一緒に行くとか
超楽しそうだなぁ〜♪
しかも修もいるし!デートとは違うけど
超超超楽しみ〜!!




「優梨迷子になりそう…。」




真樹が心配そうに言った。
いや、ならないし!




「だよな。しゃーねーから
俺が手つたいであげるな!」




キョーちゃんがふざけて言って
あたしの手を握る。




「恭平、こいつはリードで十分だ。」




「リードって犬じゃんか!」





あたしは修を叩きながら言った。



「リードでもしとかねぇと
お前いなくなるだろ〜。」




「いなくなんないよ!」





「心配だよね…。」


「すごい心配だ。」



真樹とキョーちゃんは心配そうな
顔をして言う。
あたしもう子供じゃないよ〜!
みんなあたしのこと子供あつかいする。




手を差し出してくれるのは
いつも真樹かキョーちゃんで
修は手をつないでくれない。
わかってるよ…。
アイツがいるからでしょ?
アイツに悪いからでしょ?



あたしだって修と手をつなぎたい。
アイツになりたいな…。