「やめなさい。」



誰かが義父の腕を
掴んだみたいだ。




「うるさいなっ!
腕を離なすんだ。」




義父は腕をつかんだ相手を見て
顔色が一気に青ざめた。




「警察です。
この3日間お宅の家から
叫び声や怒鳴り声が
聞こえるとの通報がありました。」




「ち、違うんですよ?
これは教育でしてね。」





「詳しい事情は
署のほうで伺いますので。」





「違う!違う!
俺は悪くなんてないんだ」



義父はそのまま警察に
連れていかれた。





「鈴夏、大丈夫か?」





「…修、ごめん。
こんなめに合わせてごめん。」




「いいんだよ。
それより鈴夏がこんなめに
あってることに
気がつかなくてごめん。」




「普通は気づかないよ。」



「でも、助けたかった。」



俺がそう言うと
めったに笑わない鈴夏が
微笑んだ。