「鈴夏、こっち来い。」
俺は鈴夏を男から無理やり
引き剥がして自分の元に
鈴夏を引き寄せた。
「…修、修。お願い
助けて……。
あたし、怖いよ。」
俺の腕の中で泣きじゃくり
怖いことを訴えてくれた。
「大丈夫だから。
心配しなくてしていいから…」
「うん、…ありがとう。」
「何をしてるんだ鈴夏!
こっちに来なさい。
俺はお前の父親だろ?
父親の言う事が聞けないのか?」
「お前なんか、父親じゃない。
父親だったら苦しめたりすんなよ!
もっと大事にしろよ!」
「うるさいっ、
お前に何がわかるんだ!
だいたいこいつは俺の子供じゃない。
ただの連れ子なんだよ。」
「えっ…」
そうゆうことか
だからだったのか。
鈴夏が自分の名前を
嫌がる理由がわかった。
「鈴夏を離すんだ!」
俺はそう叫ばれて
気がつけば鈴夏の義父に
馬乗りになって殴られていた。
鈴夏はいつもこいつに
こんなことされてるのか?
鈴夏は泣きながら
俺に手をさしのばす。
俺はその小さな手を
強く握りしめた。