たしかに可愛い顔かもしれない
でも冷めた目をしている。



まず鈴夏の印象は悪かった。



休憩時間になると
みんなが一斉に鈴夏の元に
駆け寄っていった。




「N中って荒れてたの?」
「鈴ちゃんって呼んでいい?」
「彼氏いんの〜?」
「芸能人の誰かに似てる!」



バン!



「うるさい!
悪いけど話しかけないで」



鈴夏が机を叩いて
冷たくいいはなった。
そして静かに教室を出ていく。




なんでかわかんないけど
俺は追いかけてた。




「おい、待てよお前。」




呼びかけても無視。
なんだよこいつ…




「篠垣 鈴夏!」




俺が大きな声で叫ぶと
ピタリと歩くのをやめた。



「篠垣 鈴夏って呼ばないで!
てか、あんた何なの?」




鈴夏はキツイ言い方を
しながらも泣いていた。



俺はもうこの時点で
好きになってたのかもしれない。