「教室戻んぞ、優梨」
「あっ、うん。」
「え?俺は無視?」
「お前は一人で
ここにいろバーカ。」
「扱いわっりぃ〜。
いいよ別に…。
俺は一服してから行くし。」
キョーちゃんはちょっと
拗ねて言った。
「おぉ、そうしろ!
おい、優梨行くぞ?」
「うん、行くよ。
キョーちゃんはいいの?」
「いいよ。優梨!
……泣かせてくれよ。
な〜んてな…」
「…あは、…うん。」
あたしは修と屋上を出た。
いつもは繋がない手を
繋いでいるから
緊張する……。
でも、いいのかな?
手なんか繋いで。
アイツに悪いよ。
もし、あたしがアイツ
だったら友達でも
手なんて繋いでほしくない。
「優梨、大丈夫か?
恭平に何もされてない?」
「さっ、されてないよ!」
「嘘つけ!
抱きしめられてただろ。」
「それ…は…。」
「あぁ〜!くそ!
恭平のやつ絶対許さねぇ
真樹に言ってやろうかな。
恭平ボコボコだな!」
「あはは、ほんとだね!」
「……優梨は恭平が好きか?
それなら俺、邪魔したな。」
「ち、違う!
キョーちゃんは友達だもん!」
「そうか、何
必死なってんだよバーカ。」
「修が勘違い
するからじゃん…バカ。」
「優梨は好きな奴
いないわけ?」
「…いっ、いない」
「なーんだ!良かった!
なんか優梨に彼氏できたら
取られた気分だからな。
いなくて良かったよ。」
「何それ…。変なの〜」
何それ…
修のバカ。
あたしの気持ちも知らないで。