あたしはキョーちゃんの
腕から抜け出した。





キョーちゃんの顔
ちゃんと見たかったから。





「なにすんだよ…。
恥ずいじゃん。」







「あたしなんかのために
泣かないで…。」






あたしはそう言って
キョーちゃんを抱きしめた。






「優梨……好きだよ。」






「うん、ごめんね。」






「優梨、それはひでぇよ。」





キョーちゃんが笑いながら
言うからあたしも
ホッとして笑った。






「あはは、ごめん。」






「謝らなくていいよ。
優梨は悪くねぇんだから」





「うん、ありがとう。
キョーちゃん大好きだよ」





「友達としてだろ!」






「…あっ、ごめん。」






あたし最低な女だよね。
あたしのこと好きって
言ってくれてる人にごめん
って言っておいて
大好きだなんてね…。





でもキョーちゃんは
本当に大好きだから
ウソじゃないんだよ…。