会話なしで
あたしたちは屋上に
向かって歩く。
気まづいなぁ…
なんかしゃべんないと!
…っでもなにを!?
「わっ!」
何をしゃべればいいのか
考えているうちに
階段でつまづいてしまった。
「あっ、…あっぶねー。
大丈夫か優梨?」
キョーちゃんがそう言って
転びそうなあたしを
支えてくれた。
「ありがとキョーちゃん。
超びっくりしたぁ〜!」
「きよつけろよ?
優梨はあぶなっかしいから。」
「うん、きよつけるね。」
そのままキョーちゃんは
あたしの腕をつかんだ。
「優梨、昨日はマジごめん。
俺、優梨と一緒にいれなくなんの
……すげーヤダ。」
「うん、あたしもだよ。」
「俺があんなことしたから
悪いのにこんなこと言う
資格ないかもしれねぇけど
優梨と離れたくない。
友達でもいいから……
側にいて一緒に笑ったりしたい。」
キョーちゃんは真剣な顔で
真っ直ぐにあたしを見て言った。