「優梨のこと好きなんだろ?」



修が晃にそう言った。



「そうだよ。
お前なんかよりも
ずっとずっと前から
優梨だけが好きだった。」



「ずっと前とかそんなの
関係ねぇよ。
確かに俺のほうが晃くんより
後に優梨と出会ったよ。
でも、俺のほうが好きだ。」




「晃くん言うな、キモい。
お前には負けねぇよ!」




「本当に好きなら
嫌がる事なんてしないだろ」




「はっ?」




「本当に好きなら
優梨が嫌がるようなこと
すんなって言ってるんだよ。」



「あれは、つい我慢できなくて
お前が好きって言うのが
悔しくて…悪いと思ってる。
今も謝りにきたんだよ」




「そっか、優梨はなんて?」




「許してくれたよ」




「そっか、なら俺も許す。」




「え?」




「優梨がいいって言ったなら
もう、いいんだよそれで。
優梨が許さなかったら
俺もお前を許さねぇけど。」




「お前、優梨に本気なんだな。」




「当たり前だろ?
てか本気じゃなかったら
付き合ったり、いちいち
お前と話ししたりするかよ。」




「…そうか。
…わかった、俺諦める。」



ドア越しだから
修や晃がどんな表情を
しているのか見えないけど
2人とも真剣に話してるみたい。



あたしなんかのために
ありがとう。




「別に、俺は諦めろなんて
言ってねぇーだろ。
優梨が嫌がる事すんなって
言ってんだよ。わかるか?」




「おう…」




「優梨を奪われない
自信あるから、俺。」




「ふーん。
わかったよ。負けねぇからな!」