あたしは早く修に
会いたくて、家を飛び出した。




「うぉっ、びっくりした。」



走っていると
会いたかった修がいた。




「修…」




「危ないから家にいろ
って言ったのに。」




「ごめんね、
会いたかったの。
すぐに、修に会いたかったから」




「可愛いこと言うじゃん。」




そう言ってあたしの頭を
なでなでしてくれる。


それだけでもホッとする。



「優梨?どした?
なんで泣いてんだよ。」




「会いたいって思ってたら
修が会いにきてくれたから。
うれしくて、涙出ちゃった。」




「…本当か?
なんかあったんじゃねぇの?
優梨ウソつくの下手だから
すぐにわかんだけど。」




「…本当だよ。」




「俺に言えないこと?
だったら無理には聞かないけど
泣くほどのことなら
ちゃんと言ってほしい。」




そう言ってあたしを
ギュッと抱きしめてくれる。




「…あのね、
あっ、晃に、…抱きしめられて
…それで、…キスされちゃった。
ごめんなさい、修。」



あたしは涙を流しながら
修の腕の中で話した。




「そっか、ごめんな言わせて。
でも俺、許せねえよあいつ」





「キスされちゃってごめんね」




「いいから、優梨は悪くないよ。
だけどあいつの気持ちも分かる
俺があいつの立場でも
優梨にキスしたくなるかも。
そんで奪ってやりたいって
きっと思うと思うんだ。」




「あたしは、修が好き」




「うん、知ってる
でも俺のが好きだよ。
俺、今嫉妬で狂いそうだ」



「ヤダよ、狂っちゃヤダ。」




「俺、優梨のためなら
狂っても全然いいんだけど。」




「じゃぁ、あたしも狂う。」




「一緒に狂うか」




そう言って
修はあたしにキスをする。
何度も何度も優しいキスをしてくれる。