「そ、俺は有明涼。よろしくな。」


「……………」


よろしく、と言うと、コクリと頷いた。


「奈々ちゃんっていうんだ。ねぇ、アド教えてよ。」


「あ、はい…」


まだ口説いている最中らしい。


「美海ちゃん、アド教えてくんないかな…?」


「あんまりメールしないんで、返すか分かんないですけど…」


「いいよ、教えて。」


「はい…」


隣にいるバカ男はほっといて、俺も一応アドを交換した。


交換した後は


「はぁ?もう帰るのかよ」



さっきまでさっさと帰ろうと言っていたこいつを、無理矢理引っ張って連れて行く。