そして、私はまず、大輝の腕を刺した。




すると、
「俺のこと、思い出してくれ! 大輝だよ!」
と、言った。
私が記憶喪失だって、わかったんだ。
何でだろう?
まっ、いいか!




次に左足と、お腹を刺した。




「っく! お、お願いだ!おも、思いだ、出してくれ!」
と、叫んだ。
他の仲間は、リーノイでて一杯なのね。
私、有利じゃない!
もう、


殺そ!


私は大輝の心臓めがけて剣を振りかざした時だった。

















「俺は、香織の事を愛してる! ずっと、前から愛してる! だから、お願いだから、思い出してくれよ! おもいだしてくれよぉぉぉーーーーーー!!!!!」














「えっ!?」


















「大輝? 私は、私は……。ごめんなさい! 記憶が、おかしくなってて……。それで……」




思い出した。

大輝。

彼の名前は大輝だ。

私がずっと、好きだった人。

でも、ずっと、ずっと、伝えられなかった。

それを今、私の記憶を戻す為に、言ってくれた。

嬉しい。




「よ、よかった。記憶、が、戻って……」




大輝は微笑みながらそう言うと、動かなくなって、床に倒れた。

床を見ると、血の水溜りできていた。




「イヤ! イヤ!! イヤぁぁぁーーーー!!!!」




私は叫んだ。

そして、それを見て笑う、リーノイの顔があった。

私も、ショックのせいで、気を失ってしまった。

だから、そのあとどうなったのかは、次の日まで分からなかった。

楽しくないGW最終日の昼。

私は自分の家の、自分のベットの上で目が覚めた。

今はまったく飢えてなくて、気分の良い目覚めだった。

『おはよう! 香織お姉ちゃん!』

そう言う双子の声が聞こえた。

「おはよう、香織。もう大丈夫かい?」

と聞く男の声。

でも、私の聞きたい声は聞こえない。

私はあいさつを返さず泣き出してしまった。

「大丈夫だよ。大輝は元気だよ。香織より早く起きている」

そう聞いた時、安堵感でいっぱいだった。

「……よかった。ほ、本当によかった。殺しちゃったと思った。本当によかった」

私はそう言いながら十分くらい泣いていた。

だからお腹が空いてしまってしかたがなかったので、ご飯を食べるためにリビングへ向った。
リビングに着くと、そこには大輝がいた。

「大輝! よかった。ごめんなさい! もう大丈夫?」

私は嬉しすぎて混乱していて、言葉がおかしかった。
大輝はそれを聞いて笑っていた。

「香織、大丈夫だよ。心配すんな!」

そう返ってきた返事を聞いて、私は大輝に抱きついていた。
「香織!?」
「よかった、本当によかった。あのさ、私の事、好き?」
私は大輝の顔を見ながら言った。
すると、大輝は顔を赤らめて言った。

「好きだよ!」

「私も、ずーと前から大輝が好きだよ!」

私がこう言うと、大輝は嬉しそうに笑った。
皆笑っていた。
そして、ご飯を食べはじめた。
もちろん皆で!
ご飯の間は、これからについて話し合う事にした。
「まずは、らなとりなはどこに住むかね」
私がそう言うと、大輝と煉は声を合わして言った。
『ここでいいんじゃない(か)?』
「そうね。らなとりなはそれでいい?」
「はい、いいです」
「うん! いいよー!!」
と、らな、りなの順に答えた。
「じゃあ、この件はこれできまりよ。次は煉、どうするの?」
私が煉にそう聞くと、少し考えてから言う。
「あの、いいかな? ここにいてもさ?」
「やっぱりそう言うと思ったわ。もちろん良いわよ。じゃあ、この件もこれでオーケーね。あとは、今後、どう動くかよ」
すると、皆必至に考え出した。
そして、十分後。
「皆決まったわね? 一人ずつ順に言って。じゃあまず、大輝から」
「俺はこの街を守るのが良いと思う。最近この街は良くないからな。色々と」
「なるほどね。じゃあ、次は煉」
「僕はこの街で最近暴れているヴァンパイアが増えているみたいだから、それを狩るのが良いと思うよ」
「うん、わかったわ。じゃあ、次」
「私達はこの街に溢れている孤児や」
「虐待を受けてる子供達を助けてあげるのが良いとおもいまーす!」
らなとりなが順に言った。
「わかったわ。イコール、この街を守る活動がしたいということね」
私はいっぱくおいて、次の言葉を発した。
「じゃあ、これから私達はチームの名をスマイルと名乗り、この街を平和にして行きましょう!!」


『おおぉぉーー!!!』





香織の秘密を聞いて、どうでしたか?


何を思いましたか?


怖かったですか?


もし、本当にこんな事があったらこわいですよね?


でも、秘密は誰にでもあるものです。


きっと……。


もし、あなたの大切な人が秘密を持っていたら、どうしますか?


聞きますか?


聞きませんか?


それはあなたしだいですね。


香織の秘密、ヴァンパイアで殺人魔女。


香織の過去は残酷で、最悪なもの。


でも、人は信じてくれる人がいれば歩いていける。


香織には大輝と煉、らなとりながいたから、最後の誓いがたてられたのでしょう。


香織の秘密はここまでにいたしましょう。


さようなら。


私の名は、立花美沙。


香織の……よ。


END
「ふぅ~。これで、やる事は決まったわね。ご飯ご飯!」
私は箸を持って、おかずにてお伸ばした時、すごい視線を感じた。
な、なに?
なんなの?
「ねぇ? どうかしたの? 大輝、煉!」
「いや、別に~」
大輝が言う。
「何でもないよ」
煉が言う。
でも、何でもない様な顔には見えない。
しかも、二人とも睨みあってるし……。
いったい、なんなのよ~!!
「どうしたの? 香織お姉ちゃん」
「食べないの?」
らなとりなが順に言う。
その顔は笑顔だ。
「食べるよ。でも、何か食べ辛くて……。私、ごはんを一緒に食べてて大丈夫?」
私は不安になったので、きいた。
『うん、いいよ!』
らなとりなが声を揃えて言った。
「じゃあ、いただきます」
私はそう言って、おかずを口に運んだ。
「美味しい!」
そう言ってから、他のにも手を伸ばす。
「これも、美味しい! 誰が作ったの?」
私が聞くと、大輝と煉が恥ずかしそうに手をあげる。
「大輝と煉が作ってくれたの! ありがとう!」