これは香織の秘密。
香織は……で……。
香織がずっと悩んでいる秘密。
これを今から教えてあげましょう!
香織の秘密の一部を!
私は聖東部中学校一年三組の学級委員の、立花香織(たちばなかおり)。
今日も、いつもと変わらず木野大輝(きのたいき)、私の幼馴染と一緒に学校へ登校中よ!
でも、今日は大輝があんまり話してくれないの……。
どうしたんだろう?
何かあったのかな?
私は気になって仕方ないので、大輝に聞いてみる事にした。
「ねぇ? 大輝。どうかしたの?」
私はそう聞いてみた。
すると、大輝は笑顔で私の方を見ながら楽しそうな声で言ったの。
「どうもしてないよ!俺、元気だよ!!」
「ホントに?」
一瞬、大輝の動きが止まった。
が、本当に一瞬の事だったから、よく分からなかった。
でも、私は気になったから、しつこく聞いていたの。
そうしたら、大輝はやっと本当の事をいってくれた。
「嘘だよ……。ごめん! ホントは、香織の事が心配で……」
大輝は暗い顔でそう言ったの。
私はビックリしたわ。
だって、私の事が心配だって言ったから。
今まで、こんなこと言われなかったから。
でも、どうして私の事が心配なんだろう?
「心配な理由は、男女から、香織が嫌われてるって聞いたから……」
大輝は私の心でもよんだかのように、私にそう答えた。
でも、誰から聞いたんだろう?
聞いてみなくちゃ!
「ねぇ? 誰から、聞いたの?」
「日野から聞いた」
あきか……
あきは私の大切な友だちだから、言ったのに……。
どうして大輝に話しちゃったんだろう?
大輝には、知られたくなかったのに……。
「……ねぇ? その話しを聞いて、どう思った?」
気になっていたの。
嫌いになってたらどうしようって……。
だから、私は聞いてみた。
「助けてあげたいと思ったよ!」
大輝は笑いながらそう言ってくれた。
嬉しかった。
こんな私なのに、大輝は私のことを大切にしてくれるんだ!
「ありがとう!! 大輝!!」
私は笑顔でそう言った。
「照れるなー。まぁ、何かあったらすぐに言えよ! すぐ、助けてやるからな!」
「うん!!」
そんな話をしている内に学校に着いていた。
教室に入ると、数人の女子が私によってきた。
なんだろう? 私に用事かな? 一応学級委員だし。
そんなことを思っていると、声を掛けられた。
「ねぇ。あんたさ、ぶりっ子してんじゃないわよ!」
リーダーっぽい、女子が私に言ってきた。
「何ですか? いきなり!」
私はどなってやった。
うっとうしかったから……。
うざかったから……。
「ちょっと、ついてきてよ!」
女子は私にそう言ってきた。
私はおもしろいなぁと思い、OKした。
移動先は校舎裏だった。
校舎裏はとても静かで、結構暗い。
よく、ここで喧嘩している人を、見たことがある。
こんなところに連れてきて、私を殴る気かしら?
そんなことさせないけど……。
そんなことを考えていると、女子に話しかけられた。
「あんたさ、いくら幼馴染だからって、木野君にべたべたするのやめてくんないかなー? うっとうしいんだよ!!」
どなられた。
私に向かって、こいつはどなった。
うっとうしい!
うざい!
殺してやる!!!
私は殺人魔女だから……。
誰だって、殺せるよ?
大人も、子供も、女も、男も……。
私は、殺せる!!
「なぁ?聞いてんの?」
女が声を掛けてきた。
うるさい。
殺す
もう決めた……。
もう決めてしまった……。
この人達を
殺す!!!
「アハハハ!! アハハハハハ!!」
私は笑ったわ!
嬉しかったから!
今まで溜め込んできた飢えがなくなるから!!
「な、何笑ってんの? 頭どうかしてるの?」
女が怒鳴りつけてきた。
そんなのかまわない。
この女は……
これから死ぬのだから!!!
私は問いには答えずに、魔術で凶器を出して走り出そうとしたときだった。
「香織! やめろ!!」
私にそんなことを言う人がいた。
大輝だった。
どうして、こんなところに?
どうして、こんなときに?
なんで?
なんで、大輝がここに来たの?
「ねぇ? どうして、ここが、わかったの?」
私は大輝に訪ねた。
「香織がいる場所はわかるんだよ!」
そんなふうに大輝は答えてきた。
「何で? 私が今、何しよとしてたかわかってた?」
私はなぜか、そんなことを聞いていた。
なんで聞いたかは、自分にもわからない。
ただ聞いてみたかったから、聞いてみた。
すると、大輝は笑いながら、でも真剣に答えてくれた。
「知ってるよ。殺そうと、してたんだろ? じゃまして悪かったな」
「何で? 怖くないの? 前も、そんなこといってたよね?」
「あぁ、怖くないよ! 香織はぜんぜん怖くない」
大輝はそう答えてくれた。
でも、私はその言葉を素直に受け取ることは、できなかった……。
だから、叫んでしまった……。
大輝を、怒鳴りつけてしまった……。
「そんなはずないわ!!!
私は、化物だもの!!!!!」
こんな言葉で……。