「何って……。お前こそ、何してんだよ」


組長も、やっぱり現役だけあって口調はずんと腹に響くもの。


「ちょ…。2人とも、こんなとこじゃダメですよ。外出ましょう」


飲み物の代金を払って、睨み合う2人の背中を押して外へ出る。


「稜。どういうつもりだよ」


組長に問いかけられるけど、答えようがない。


「どういうつもりって……、別に哲さんと話をしてただけっすよ」


事実だもん。


何も間違ったことは言ってないはず。


「そうじゃねぇよ。なんで哲から連絡あったのに、俺に知らせなかったってことだよ」


あ、そこか。


別に連絡してくれ、とか言われたわけじゃないし…。


「聞いてるのはこっちです、組長。何をしに来たんですか」


「……お前が、この店に入ったって組の奴から連絡あったんだよ」


「それで、どうしてここに組長が来る必要があったんです?」


それもその通りだ。


ここに哲さんがいると聞いたからと言ってわざわざ来る必要はないはずだ。


「どうしてるかと思ったから来たんだよ。……まだ、お前に恨まれていることは分かっていたがな」


哲さんが組長を恨む!?


そんなことって……。