「哲さん。いまどこですか?」


「え。6丁目だよ」


「じゃ、近いですね。会って話しません?」


うちがそう切り出すと、ちょっと躊躇ってる様子だったけど、OKと言った。


「6丁目の花梨って店わかります?そこにいてください」


「分かった」


どちらからともなく、電話を切る。


ケータイを握ったまま、中ランを掴んで部屋を飛び出した。


中ランを着ながら靴を履いてバイクの鍵を取り出す。


バイクに鍵をかけると同時にサングラスをかけて、ハンドルを握る。


爆音とともにバイクは6丁目の花梨に向けて走り出した。