やっぱ、15分ちょっきり。
問題のキャバクラ、姉貴についた。
時間も時間で、今が1番お店が盛況してるときなのだろう、あちこちで店の勧誘してたり、笑い声が聞こえたりする。
中でも、一際目立ってるのは、姉貴の隣にある豹って店。
まぁ、どっちもセンスはないわな。
けど確かに姉貴より豹の方が入りたいかも。
そんなことはどうでもよくて、気を取り直して"姉貴"に入っていった。
「こんばんわ。お一人様ですか?」
店の中に入って行くと、早速ボーイに声をかけられる。
「いや、知り合い来てっから、そいつら探しに来ただけ」
こんなとこに来たって、うちの態度も、喋り方も変わるわけがなく。
ボーイは呆気にとられてうちを見送ってる。
キョロキョロあたりを見回しながら、親父と三波を探す。
「あ、いた」
2人を見つけて、小さく呟いた。
そして、深呼吸して叫んだ。
「おいコルァ!!」
うちの声で店の中がシンと静まり返る。
「てめぇら何しとんねんっ!!」
キレると関西弁になるうちは、いつもの倍以上怖い……らしい。
「り…稜……」