「キャ……キャバクラ!?」
「うん。母さんにも、おばあにもお前にも秘密だって言って出てったよ」
親父はわかるとして、三波は高校3年だぜ!?
あ、香矢も三波も高校三年。
生まれた年は一緒だけど、誕生日が香矢のほうが先だったってこと。
別に双子なわけじゃないけど。
___キャバクラ行ってる高3っていないよね。
「どこのキャバクラ行ったんだよ!?」
「お前も行くのか?」
「ボコるぞ」
「悪りぃ。……4丁目の姉貴って店」
「姉貴って、センス悪りぃな」
「ホントだよな」
4丁目の姉貴。
この名前を頭に入れて香矢の部屋を出た。
アイツら……ボッコボコにしてやる。
なんでか分かんないけど、イライラをぶつける相手が欲しい。
高3の男子が行くとこちゃうやんってことを口実に、連れて行った親父も含めて殴らせてもらう。
中ランを羽織って、靴に足を入れ、バイクにキーを挿し、またがって出発した。
4丁目なら、ここから15分でつく。
その間にすれ違いにならなきゃいいけど。