「あぁ!!もうイライラするっ!!」
いきなり叫んで飛び起きる。
隣にいる香矢と三波がびっくりしてるだろうけど、そんなのお構いなし。
今のうちには、このイライラとモヤモヤをどう解決するかが最重要で。
「おいっ。誰か殴らせろ!!」
さっきよりもさらにでかい声で叫びながら階段を下りていく。
「何ですか、稜。そんな物騒なこと言って」
あ。
この家じゃ、不良出来ないんだっけ。
「だって……」
イライラしてんだから、仕方ないじゃん。
どうしたらいいんだよ、じゃ。
「どうしたんですか。そんなにイライラして」
居間を見渡すと、いるのはおばあとうちと母さんしかいない。
「……親父は?」
「三波を連れて、どこか行きましたよ」
うち置いてどこ行ったんだよ、あいつら。