ついでに、隣で聞いていた聖華の反応も同じだったけど。
「稜……大人になったねっ」
もはや泣き出しそうな顔で言う聖華は、綾村に慰めれられている。
「稜ちゃん……俺こそ、ごめんね。
あのときは…なんか分かんないけどイライラしてて、つい稜ちゃんと同じ温度でキレちゃった。
俺が大人にならないとダメなのに」
頭をかきながらちょっと苦笑いを浮かべつつ、栗崎はそう言った。
「なにそれ。うちがガキっぽいってこと?」
「え。少なくとも高校生の平均よりは精神年齢下でしょ」
「……前言撤回。もう知らねぇ」
「ちょ、ごめんごめんっ!!冗談だから怒んないで!!ね?」
一瞬にして冷めた顔をしたうちを見て、余裕ぶっていた栗崎の顔も一瞬で焦りに変わる。
「こらこら。イチャイチャしないの」
「はぁ?これのどこがイチャイチャだよ」
栗崎に覗き込まれてはプイッと顔を反らす、を繰り返していると聖華に突っ込まれた。
「喧嘩するほど仲が良いってね」
綾村までニヤニヤしながらそう言って、聖華と2人の世界に入ってしまった。