そこでふと、疑問が湧いた。


「なんでそんなこと、急に話す気になったんだよ」


うちがそう聞けば、ちょっとだけうちの目を見て。


「さっき友也に怒られちゃった」


また寂しく切ない笑顔で。


「屋上に鍵かけたの私だって、ばれちゃってた。


…もう嫌われちゃったかなぁ」


そう言った。


人の彼氏だって分かってても、止められないこともあるんだろう。


「……そんなことで、人嫌いになったりするようなやつじゃねぇよ、あいつは。


お前、ちゃんと栗崎に謝って来たか?」


そう尋ねれば、小さくもコクンと肯いた。


「それなら、大丈夫。同じ生徒会メンバーだろ?そんなんで仲悪くなったっていいことねぇじゃん。


あいつはその辺、ちゃんと分かってるから心配すんな」


俺様なくせににみんなの王子様的存在で。


意地悪なくせに、ちゃんと他人の気持ちの分かる人。


そんなとこに、何度救われてきたか分からない。


だから、好きになったんだけど。