「稜~ちゃんっ」
突然の告白?から一夜。
またあの気持ち悪い声が後ろで聞こえる。
昨日のことは聖華にもまだ言ってない。
うちが一人で歩いてるのを見つけると、周りに人がいないのを確認したのか、いきなりギュっと抱きついてくる。
・・・・・・返事してねぇのになぁ。
「おい、てめぇ。どけろよ」
昨日から、栗崎には完璧に冷たく当たることにした。
「なんで?」
生徒会長のときとは全く違う顔をして、聞き返す。
「歩きにくい」
多分、誰が見てもそう言うだろう。
私の言葉を聞いた栗崎は、
「ん~・・・・・・」
と悩んでたけど、そのうちパっとうちを抱き上げた。
「これなら、歩かなくても済むじゃん?」
「お前は・・・・・・バカか」
不良を普通に抱き上げてる人って、中々見ないよね・・・。