生徒会室の前に立って、少し息を整える。


……あんときは、このドアを開ける事ができなくて栗崎と喧嘩になったんだっけ。


ちょっと前のことだけど、なんだか懐かしく思う。


今のうちは、あんときとは違うわけで。


コンコン


「失礼しまーす」


堂々と胸を張って栗崎を連れ戻せる。


「稜ちゃん」


ちょっと驚いた顔をして栗崎が立ち上がる。


案の定水崎は栗崎のとなりにぴったりと寄り添うように座っていた。


「5分過ぎってっから。連れ戻しに来た」


自信満々な顔で言えば、栗崎は嬉しそうに笑う。


「ほんと、俺に夢中だからな、稜ちゃんは」


「…どっちが」


あ。


今、すごい幸せかも。


「ちょっと真木さん」


うちが余韻に浸っていると、憎き水崎が話しかけてきた。