むすっとしたうちを引き連れて、やってきました2年B組教室。


「ほんっとにあいつはなんなわけ!?気安く栗崎に触りやがって!!マジでいつかぶっ殺してやる!!」


「まぁまぁ稜落ち着いて」


「水崎は誰にでもああいう感じなんだよ。あれで結構美人だから人の彼氏取ったとか取らないとかって話よくあるよ」


ブチ切れモード全開のうちを苦笑いしながらなだめる聖華と、しれっと問題発言をする綾村。


「誰にでもって……翼くんにも!?」


うちをなだめていた聖華の顔つきが急に怖くなる。


「聖華と付き合い出してからはなくなったよ。…俺には聖華しかいないから。


冷たくしてたら話しかけて来なくなった」


「翼くん……」


言いながらそっとさりげなく聖華の腰を抱く綾村をポッと頬を染めて見つめる聖華。


「おーい。急にイチャイチャしない。ここ廊下ですよー」


怒りはまだ収まらないけど、こんな二人を見てたらむしろ呆れるわ。


っていうか聖華、目がハートですけど……。


中ランのポケットに手を突っ込んで、今度はうちが苦笑した。