ただいま、と声をかければ、ダダダッと数人の足音が聞こえた。


「稜っ、大丈夫だったか!?」


「は、はぁ!?大丈夫って何がだよ」


三波がうちの周りをくるくる回りながら心配そうな目を向ける。


「お前と栗崎が2人で学校出てくとこ見たってやつから連絡受けて……」


言いかけた三波の胸ぐらを掴んで顔を寄せる。


「何もされてねぇよ。話てやっから落ち着け」


言い聞かせるような口調で言えば、コクコクと首を縦に動かした。


そのまま居間に入って、ソファにどかっと座ると、目の前に香矢、その隣に三波が座った。


「親父たちは?」


「あー…、なんか会合」


早く話を聞きたいのか、そわそわした様子で三波が答える。


ふーん、と肯いてうちの隣にいつのまにか座っていたおばあを見つめる。


「おかえりなさい。どうなりましたか」


いきなり本題に入って来て、こっちは目を丸くするしかない。


コホンと小さく咳払いをして、ちょっと頭の中を整理してから言葉を発した。