とりあえず、みんな居間に集合して、もう一度話し合いを始めた。


「まさか……あいつがあそこまで本気だったとはな」


相変わらず親父が苦々しい口調で口火を切った。


「うん。変わってないなぁ…たっちゃん」


母さんが少し寂しそうな顔を覗かせて言った。


「…なぁ。親父たちと栗崎の親父になにがあった?」


ずっと疑問で、心に引っかかっていたことを問いかけた。


「あぁ……単純な話だ。


俺と栗崎が高校時代、歌南虎を好きだったってだけだ」


「えっ、三角関係!?」


部屋の隅の方でいじけていた三波が、急に食いついて来た。


「まぁね…。なにがそんなによかったのか、あたしには分かんないんだけど」


母さんが面倒くさそうな、照れくさそうな、そんな表情で答えた。


「あたしもね、稜と変わらないくらいお転婆だったのよ。


生徒会長やってたたっちゃんが学校一の問題児の輝ちゃんに注意したりとかしてるうちに仲良くなってね、


もともと輝ちゃんとつるんでたあたしと、いつの間にかいっつも3人でいるようになったのよ」


昔を思いだすように、懐かしむように、ゆっくりと話せば、親父が続く。