大急ぎで下へ降りて、おばあを見つけるとおばあの目の前に座った。
「ねぇ、おばあっ!!」
半分、息切れの状態でおばあに咳き込むように言うと、おばあは目を点にしてうちを見てる。
「どうしたんですか、稜」
「どうしたもこうしたも・・・・・・うちが・・・この家の跡継ぎって・・ホント!?」
途切れ途切れだけど、なんとか言い終えたうちは、もぉぶっ倒れそう。
「あら?言ってなかったかしらね。・・・そうですよ。あなたはこの江戸前一家の跡継ぎです。高校を卒業したら、ここで当主になってもらいますからね」
うちの目を見ず、何かを縫っている様子のおばあは、涼しげな声でそう告げた。
「んなバカな・・・。なんでうちなの!?親父だっているのにっ!!兄貴たちもいるのに・・・・・・っ!!」
「でも、決まったことです。輝之には、もう十分やってもらったから、今度はあなたがやる番ですよ。・・・三波や香矢にも手伝ってもらいながら跡継ぎとして頑張ってくださいね」
おばあはそう言って「買い物に行ってきますから」と立ち上がり、呆然としているうちを後目に出かけてしまった。
「跡継ぎなんて・・・・・・出来るわけないじゃぁぁぁぁんっっっっ!!!!」
--うちはでっかいこえで叫んで、親父たちをビックリさせた・・・。