昨日はそのまま解散して、行動を起こすにしても明日以降だということになったので、そのまま眠りについた。
でも、うちはそんなにすぐには寝付けなくて。
「ふぁーあ」
「おい、稜。気張ってこうって言ったのは誰だよ。緊張感ねぇな」
あくびをしながら居間に入ったうちを見て、三波が呆れたように言う。
「あぁ、悪ぃ…。昨日、寝付けなくて」
ベッドに入っても、思い出すのは栗崎の事ばかり。
あいつとこれからどうなるんだろとか、
あいつは今どんな気持ちなんだろうとか、
あいつは何を考えてるんだろうとか。
考え始めたら頭が冴えちゃって、なかなか眠りにつけなかったんだ。
「おい、稜。ちょっといいか」
香矢が忙しげに居間に顔を覗かせてうちを手招きした。
「おぉ…」
なんかいつになく張り切ってんな、香矢。
香矢の後についていくと、おばあの部屋の前で足を止めた。
「おばあ…?」
「おう。ばあと作戦会議中だ」
ニヤッと笑って親指を立てて見せた。