涙も止まって、ふーっと息をつく。


まだ頬のあたりが引きつってる感じがするけど、とりあえず落ち着いた。


急に溢れた涙のわけは自分でもわからないけど、いろんなことが立て続けに起こって精神的に不安定だったのかも。


まぁ、とりあえずあれだな。


栗崎を問い詰めるしかねぇかな。


許嫁がいようがいまいが、うちには栗崎しか考えられねぇからどうなるってわけじゃねぇ。


ただ、許嫁がいることを知ってたとしたら、それをちゃんとうちに言わなかったことを責めようと思う。


栗崎の慌てる姿ってあんまり見れないから、楽しみかも。


そう考えてクスッと笑う。


ポケットに入れてるケータイが音を立てて震える。


取り出して表示を見ると、栗崎。


電話じゃ問い詰められねぇからそこはぐっとこらえて通話ボタンを押す。


「もしも＿＿」


「稜ちゃん!!どこにいるんだよ!?」


家の言葉をさえぎって、栗崎の怒ったような声が飛び出してきた。